早めにベッドに入ったはずなのに、寝た気がしない・・・そんな悩みを抱えていませんか?
厚生労働省の調査によると約7割の方が、寝つきが悪い、日中眠気があるなど、睡眠の質に何らかの問題を感じているそうです。(※1)
睡眠は記憶力の向上や疲労回復、免疫機能を高める等々、食事・運動と並んで健康に大きく影響し、仕事や日常生活のパフォーマンスも左右します。
どのようにしたら安眠につながるか、質の良い睡眠のための工夫をご紹介します。
あてはまるのはどのタイプ?不眠症状
不眠症は睡眠問題が1か月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。(※2)
不眠症は大きく4つのタイプに分けられます。
■寝つきが悪い「入眠障害」
■眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」
■早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」
■ぐっすり眠れたという満足感(休養感)が得られない「熟眠障害」
不眠症状が1か月以上続くようであれば、専門の病院を受診した方が良いですが、そこまで深刻ではなくとも睡眠に不満や気がかりなことを抱えている人は少なくないのではないでしょうか。
眠りにつきにくい原因は
不眠の症状の原因として、大きくはストレス・寝室の環境・からだの病気・こころの病気・薬や刺激物・生活リズムの乱れなどが挙げられます。
具体的には…
●アルコールやカフェインによる覚醒
●PCやスマホ画面から発せられるブルーライトによる覚醒
●悩み・不安・心配事を抱えていてずっと考えてしまう
●室温が適切でない
…などです。
眠りにつきやすくするためには、これら原因を作らないようにすることが大切です。
より質の良い睡眠をとる工夫をご紹介します。
よい睡眠をとるための5つの工夫
①アルコールやカフェインは夜寝る前に取らない
アルコールはリラックス効果があり、入眠を助ける一方で、体内で分解される際に交感神経を刺激するため覚醒作用が働き、夜中に目が覚めやすくなります。
就寝1時間前の飲酒は、少量でも睡眠を妨げてしまうこともわかっています。なるべく寝る前を避けるようにしましょう。
飲み会などでどうしても遅い時間まで飲まなければいけない場合は、あらかじめ空きっ腹で飲まないようにしたり、飲み会の途中からお茶・水・炭酸水を飲んだりするなどの対策をしてみましょう。
カフェインも同様に覚醒作用があるため、コーヒー・栄養ドリンク・カフェインを多く含むお茶を飲む場合は、眠りにつく3~4時間までにすると良いでしょう。
麦茶、ルイボスティーはノンカフェインなので飲んでも心配ありません。ノンカフェインのハーブティーもリラックスに役立つでしょう。
また、アルコール・カフェインを含むお茶は利尿作用があります。寝る直前に飲むと、途中でトイレに起きてしまう可能性も。
気になる方は要注意です。
※ハーブティーは、妊娠中には適さないものあるため、心配な場合はお店の方に尋ねたり、産婦人科で医師に確認したりしてみましょう。
②スマホやPCは寝る1時間前までにする
スマホやPCの画面の光は「ブルーライト」と呼ばれ、睡眠の質を下げる可能性があります。ブルーライトの波長は目を通じて脳を覚醒させ、入眠や深い睡眠の妨げになると言われます。
ベッドに入ってからもスマホの画面を見ているということはありませんか?
眠りにつく1~2時間前からベッドサイドにはスマホを置かないようにするのも一つの方法です。
③季節によって適切な室温に調節する
普段何気なく使っているエアコンですが、適切な温度に調節することで睡眠の質を上げられます。
睡眠の質を保つ範囲の温度は、夏は25~28℃、冬は18~20℃にし、布団の中は33℃が理想の温度。
湿度は1年中50%が良いとされます。(※3)
この範囲を超えると途中で目が覚めたり、疲労感が残ってしまたりということが起こりやすいそうです。温湿度計は1,000円~2,000円程度で購入できるので、眠りの悪さを感じている方は、普段の寝室の温度・湿度を測ってみてくださいね。
④眠る1時間前には部屋の照明を暗くする
明るい光には目を覚ます作用があるため、就寝前の寝室の照明は暗くすると良いでしょう。
明るすぎる部屋、特に蛍光灯のような白っぽい色味の光は、睡眠の質を低下させるといわれています。間接照明などを使って部屋を暗めにすると、体内時計や交感神経の働きが変化し、自然と眠くなります。
⑤朝、光を浴びる
良い眠りを得るためには、起床時に光を浴びておくことが鍵になります。
朝、明るい光を浴びると交感神経のスイッチが入り、脳内の神経伝達物質「セロトニン」が作られます。セロトニンは睡眠ホルモン「メラトニン」の素となり、夜になるとその働きで眠くなります。
起きたらカーテンを開けて朝日を浴びましょう。曇りや雨の日は、蛍光灯などの光でもOKです。
睡眠をおろそかにすると、起きている時間が無駄になると言っても良いくらい、睡眠はわたしたちの健康に深く関わります。
食事と運動と同様に、睡眠も見直して、健康な毎日を過ごしましょう。
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【参考・参照】
(※1) 厚生労働省 令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要<https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf>(最終閲覧日:2021/01/18)
(※2)厚⽣労働科学研究班・⽇本睡眠学会ワーキンググループ作成「睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン」<https://www.ncnp.go.jp/mental-health/docs/nimh60_55-62.pdf>(最終閲覧日:2021/11/05)
(※3) 厚生労働省 生活習慣予防 睡眠対策 「健康づくりのための睡眠指針2014 」<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html>(最終閲覧日2019/08/26)